時の流れの羅針盤 日本時事評論
「日本時事評論」編集便り No.451      2024/05/17 
 今年のゴールデンウイークも、京都などの観光地では地域住民の生活等に悪影響を及ぼす観光公害(オーバーツーリズム)に悩まされました。観光庁の調査では、日本の旅行量は大型連休を含む休日に集中しており、年間で約7割を占める平日の旅行量は16.5%に過ぎないとのことです。観光公害を起こさず、観光をゆっくり楽しむには、旅行者が休日をずらすなどの工夫が必要です。そのためには企業等が平日にも連休が取得できる職場環境を整えていくことが必要です。それでは紙面案内です。(田村)

1面 天録時評 「尖閣諸島問題
         常設仲裁裁判所に中国を単独提訴せよ
         法の支配に基づく国際秩序の構築に向けて」

 国家間の紛争の平和的解決は大きな問題です。力ではなく法が支配する国際秩序の構築に向けて、尖閣諸島問題も中国海警局艦船の不法行為の排除を求め、単独提訴が可能な常設仲裁裁判所に提訴すべきです。効果は限られても積み重ねが重要です。法の支配に基づく国際秩序を構築するために、わが国は常設の国際裁判所の活用に率先して取り組まなければなりません。(今号1面記事のYouTube解説動画のURLとQRコードを掲載しましたので、解説動画の方も是非ご覧ください) → https://youtu.be/FUlhJX4KCSY

2面 天録時評 「物価高騰 お米を食べて自給率向上に協力を
         円安による国民の貧困化を防げ」

 急激、大幅な円安で、国民の貧困化が進んでいます。わが国は世界一の債権大国だが、今やそれを取り崩しています。今後は貿易赤字の拡大で、さらなる円安を招きかねません。円安防止には、産業の構造改革とともに、食料の自給率向上なども急がれます。自給率向上には、米飯食中心の食生活への転換など国民の協力も不可欠です。

3面 天録時評 「エネルギー基本計画の改定に向けて⑥再エネ
         太陽光発電の実力と現実の直視を
         環境保護や人類の幸福に反する面も」

 再生可能エネルギーに関する規制緩和を目指す内閣府のタクスフォースに提出された資料に、中国国営電力会社のロゴが入っていることが発覚しました。エネルギー基本計画見直しの時期に露呈したのは、再エネの強引な導入拡大策の見直しが必須であることを示しています。つまり、再生可能エネルギーが原子力発電に代替できるとする幻想から目を覚ますべきです。

4面 天録時評 「民主的社会を支える人材に不可欠な教養
         文・理を超えた知識の習得で
         “考える力”の強化を」

 現代社会の複雑化する課題に対応するためには、大学における文系・理系が融合した学びが求められています。しかし、高校では大学受験のために文系か理系かの選択が求められ、多くの大学では専門領域だけの教育を行っています。これでは文・理の枠を超えた社会問題に対峙したとき、民主的な社会を支え、発展させることのできる複眼的視点を持つ人材は育ちません。高校では大学受験のための文・理選択を解消すべきであり、大学入試改革も必要です。

2面 巷  露 「殉職者への敬意と感謝」
5面 天録時評 「核融合の開発促進には大賛成
         ただし実用化までの道のりは険しい」
6面 投  稿 「人間尊重の働き方改革を」
         弁護士・産業医 籔本恭明
7面 天録時評 「資源回復のために水産資源管理を
         既得権益を守るためのサンマの漁獲枠」
         役立つ最新用語67
        「類似商標の登録を緩和する『コンセント制度』」
8面 日本の肖像105 近代日本の水先案内人
         中浜(ジョン)万次郎(上)
        「幕末維新の真っ只中、大海を漂流し、
         絶海の孤島で生き抜く」
         歴史家 鈴木旭

〈本文の全文(PDF)は5月24日に掲載予定です。〉
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