時の流れの羅針盤 日本時事評論
「日本時事評論」編集便り No.450      2024/05/03 
 日本、中国、ロシアなど9カ国・地域が参加し、サンマなどの資源管理を話し合う北太平洋漁業委員会の会合が開かれ、公海での漁獲枠は昨年の15万トンから1割減の13万5千トンで合意されました。しかし、この海域での昨年の漁獲実績は約12万トンで、それを超える漁獲枠を設定したのでは乱獲防止には繋がらず、資源管理の放棄と指摘せざるを得ません。わが国の水産行政のお粗末さを象徴しています。漁獲実績も加味して漁獲枠を設定すべきです。それでは紙面案内です。(田村)

1面 天録時評 「民主政治の健全化は国民にも責任
         国民主権では国民が『治める者』でもある」

 政治への信頼を取り戻すために「ザル法」と言われ裏金疑惑を招いた政治資金規正法の徹底した法改正の重要性は言うまでもありません。一方で、国民もメディアの無責任な政治家批判に歩調を合わせて、政治家を貶めるばかりでは無責任です。国民主権とは、国民は治められる者であると同時に治める者でもあります。選挙での投票率は低下し続けており、主権を投げ出している国民が増えています。より良い社会を築くためには、国民一人ひとりが政治家などと政策を議論する政治参画への努力が必要です。

2面 天録時評 「人生100年時代は学びの継続が重要
         学び直しで変化への適応力を高める」

 人生100年時代を迎え、80歳まで現役で活躍することが必要な時代が間もなく到来します。急速に社会が変化している今、学校で学んだ知識が陳腐化してしまうこともあります。学び直しや技術の向上、新しい知識や先端技術の習得が必要になってきます。まさに、生涯にわたって学び続けることが豊かな人生の実現に不可欠になります。そのための学びの拡充に取り組む必要があります。

3面 天録時評 「エネルギー基本計画の改定に向けて⑤
         原子力政策=補
         科学技術の進歩や人材育成等で貢献
         原子力産業の衰退は国家にも」

 岸田首相が今年中をめどにエネルギー基本計画を改定することを3月28日に表明しました。改定の論議では「安定供給と脱炭素化の両立策」が焦点になります。しかし、ウクライナや中東情勢、あるいは急激な少子化の進展などわが国の将来のことを考えれば、安定供給の確保こそ焦眉の急であり、さらに電気料金の安定化のために「原子力を最大限活用」という“原子力主力化”の方針を明確に打ち出してほしいものです。原子力推進は、エネルギーの安定供給や脱炭素社会の推進はもちろん、わが国の科学技術の発展や人材育成、国際協力の推進など社会的貢献度が高いからです。

4面 天録時評 「社会の発展に大学院教育の充実が不可欠
         大学院進学を阻害する風評の排除を」

 わが国の将来に必要な専門分野研究者や高等教育を担う大学院生が減少傾向にあります。その原因の一つが、博士課程修了者は就職が困難で冷遇されているとする風評です。実際は、給与面では大学卒や修士課程卒の学生よりも良く、就職率も改善傾向にあります。今後の社会は深い専門知識と幅広い教養を持ち合わせた人材が求められており、先進各国は大学院教育の充実で高度専門人材育成に努めています。社会が高度複雑化する中で活力ある社会とするには、各分野での博士号取得者の増加が必要です。

2面 巷  露 「自己成長への情熱を」
5面 レポート 「第57回原産年次大会
         人材基盤強化をテーマに討論」
6面 投  稿 「『ウクライナ侵略』の教訓と強力な反撃能力」
         外交評論家 加藤成一氏
7面 天録時評 「消火が難しい太陽光発電所火災」
         役立つ最新用語66
        「グリーンウォッシング禁止法」
8面 日本の肖像104 平賀源内(下)
        「殖産興業全体を展望した実践的国学者」
         歴史家 鈴木旭


〈本文の全文(PDF)は5月10掲載予定です。〉
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